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優生保護法裁判の和解成立によせて

knafehnablusi

2024年12月29日

優生手術被害者とともに歩むみやぎの会


2024年10月31日、宮城県の優生保護法の被害者、飯塚淳子さん(仮名)と国との和解が成立しました。心よりお慶び申し上げます。

闇に葬られまいと被害を訴え続けた飯塚さんの長い闘いにようやく区切りがつきました。ほとんど顧みられることがなかった優生保護法の被害について、飯塚さんの粘りと、「優生手術に対する謝罪を求める会」などの活動が裁判につながり、それが社会と司法を動かし、国の謝罪と補償を勝ち取ることになりました。苦しい闘いを諦めずに続けてこられた方々に敬意を表します。


宮城県では2018年1月に、全国で初めて佐藤由美さんと義姉の佐藤路子さん(いずれも仮名)によって国に対する裁判が起こされました。

その後、飯塚淳子さん、甲3さん、千葉広和さん、Sさん、千葉利二さん、長崎あすかさん(仮名)、長谷川繁さん(仮名)と、合計8名が被害者として提訴しました。ただ、3番目に提訴された女性は2020年に亡くなられています。

約6年半のあいだ裁判が続き、本年7月3日、最高裁判所でやっと優生保護法の誤りと国の責任が認められました。これにより、佐藤さんと飯塚さんの裁判は仙台高裁に差し戻されることになりました。

その同じ7月、千葉広和さんとSさんの裁判は最高裁で勝訴しました。そして、9月24日に千葉利二さん、長崎さん、長谷川さんが仙台地裁で、佐藤由美さんは仙台高裁にて和解が成立しました。10月31日の飯塚さんの和解成立をもって、宮城県のすべての原告の裁判に決着がついたことになります。同じく全国各地の裁判でも、国との和解が進められています。

2018年から裁判をそばで見守ってきた者として、本当に感慨深いです。あらためて、最高裁での勝訴と和解の成立、まことにおめでとうございます。

同時に、これまで原告に寄り添って裁判を進めてこられた弁護団の奮闘にも敬意を表します。安堵の気持ちで、喜び合い、お疲れさまと声をかけ合いました。


この和解に先んじて10月8日、国会において「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に関する法律(補償法)」が成立しました。これにより、すべての被害者の方々が謝罪と補償を受けることができるようになりました。施行は2025年1月17日と決まっています。

裁判に訴えた各地の原告の方々は、声をあげられないほかの被害者のこともつねに念頭において闘っていました。その思いがついに補償法の制定に結びつきました。すべての被害者の人権回復のために、謝罪と補償が届くよう今後の行政の運用を注視したいです。


最高裁判決を受け、政府のトップが謝罪をし、国会の両院でも謝罪決議が採択されました。今後は、あらゆる人々・団体が、「優生保護法は最初から問題だった」として語ることになるでしょう。

それでも、わたしたちは、2024年7月3日の最高裁判決まで国が責任をとらなかったこと、被害者と闘う姿勢を続けたことを忘れるわけにはいきません。

また、2018年の最初の提訴まで、社会のほとんどの人が、優生保護法の被害を知らず、あるいは過去の問題と考え、被害を放置していたことも改めて指摘しておかなければなりません。残念ながら医療や福祉業界、障害者団体でさえ、「過去の悲しい歴史」と認識してはいても、被害者の尊厳回復に取り組んでいたのはごくわずかでした。

優生保護法が成立時点から違憲だったとしても、それが国会の全会一致で成立して約半世紀も存在し続けたこと、また8万5000人以上の被害を出しておきながら、法改正後もなんの補償も検証もなく放置されてきたことは歴然とした事実です。決して国だけの問題ではありませんでした。これらを黙認した、あるいは自分の問題ではないと見過ごしてきた社会にも大きな責任があります。

わたしたちは2018年に会を立ち上げたときから、自分たちが被害を見過ごしてきた市民であることを自覚しながら活動をつづけてきました。被害者の尊厳回復にこれほど時間がかかってしまった責任の一端は、わたしたち自身にもあります。そのことを常に反省しつつ、この忌まわしい歴史と、深刻な被害に向き合ってきたつもりです。

これまでの活動では、「いのちを分けない社会へ」や「あなたもわたしもいるだけでいい」という言葉を掲げてきました。残念ながら、命の選別や優生思想、能力主義などの価値観は、わたしたちの普段の生活や内面に深く浸透しています。そこから目をそらさず、一人ひとりが大切にされる社会を追い求める姿勢を保ちたいという意味を込めています。

まもなく2025年。今後は被害回復とともに、法の成立や運用の検証が求められています。新しい年には、社会として優生保護法の罪深さに向き合い、その反省のうえに、現在の差別の解消が一層進むことを願います。

これまで関心を寄せ、お支えくださったみなさまに深く感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。








 
 
 

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(HP作成協力:東北大学サークル「学問と社会をつなぐサロン」)

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