裁判の経緯
飯塚さんの人権救済申し立てがきっかけとなりました。(画像はイメージ)
宮城県在住の60代女性で原告の佐藤由美さん(仮名)の義姉である路子さん(仮名)は、由美さんが16歳か17歳の時に優生手術を受けたと義母から聞いていました。路子さんは、同じく宮城県在住で、16歳のときに優生手術を受けさせられた70代女性の飯塚淳子さん(仮名)が日本弁護士連合会に人権救済を申し立てたことを知り、由美さんが受けた優生手術の情報開示請求をしました。
開示された優生手術台帳から、由美さんは15歳の時に優生手術を受けさせられていたことが分かりました。しかも、由美さんは1歳の時に受けた手術の麻酔後遺症で知的障害になったと義母から聞いており、養育手帳にも「遺伝性マイナス」と記載されているにもかかわらず、手術理由は「遺伝性精神薄弱」とされていました。由美さんは日常的に腹痛を訴え、時には異常な痛がり方をするということが現在まで続いています。また、子どもを産めなくなったために縁談が破談になったこともありました。
路子さんは2017年9月から、厚労省との面談・ヒアリングに3回参加しました。しかし、担当課である母子保健課の課長補佐は「当時は適法だった。厳正な手続きを経ていた」と繰り返すばかりだったことから、提訴を決意しました。2018年1月30日の提訴後の会見で路子さんは、「国が誤りを認めて謝罪すれば、国民の考え方も変わるはず。障害者やその支援者が、明るく過ごせる世の中に変わってほしい」と語っています。
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「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」では、今後、裁判の傍聴を継続的に行っていきます。
優生手術被害をめぐる問題を“自分たちの問題”と考え、注目していきます。また、多くの人々が傍聴に参加することは、この裁判が社会的に注目されていることを示す力にもなります。
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